#140&141のゲストは小野沢美暁さん
寓話という枠の中で
突拍子もない人間の生き方を
書くのが好き!という
脚本家・小野沢美暁さん

脚本家の小野沢美暁さん。
『世にも奇妙な物語』で、「ゴミが捨てられない」「歩く死体」といった優れた寓話の世界を描ける作家として頭角を顕した脚本家です。
業界の仕事は制作会社のADからスタート。
「最初、情報番組の消え物担当でした」。
消え物とは飲み物や食べ物のこと。
「初めて扱った消え物は冷や奴。でも、家に帰ってテレビに映ったときは感動しました(笑)」。
けれども制作の仕事に深く興味は持てなかったとか。
「会社はプロデューサーとして育成するつもりだったのですが、私は作家になりたいって言っちゃいまして」
そこで、放送作家集団「ライターズオフィース」(*原すすむさん率いる構成作家の老舗事務所のひとつ)に所属しました「。
「でも、バラエティ・情報系の作家は向かなくて、また言ってしまいました。ドラマが書きたい!って」。
その後はフリーとなり、ドラマのプロットを書き続けたそうです。
「それまで誉められたことはなかったけど、プロットはいいんじゃないって初めて誉められて」。
それがドラマデビューへと繋がっていきました。
その後、古手川祐子主演『わがままな女たち』で等身大の女性たちを、
『ハッピー 愛と感動の物語』で盲導犬との触れ合いを、などと描いてきた小野沢さんですが、
「リアルに描くより、寓話の中でどこか奇妙な人たちが織りなす人間模様を描きたい」と。
今後は小野沢カラーをしっかり全面に出した作品に期待したいですね!
ドラマファクトリーからのお知らせ
放送作家たちが生の声で、
放送界の裏話、制作秘話、脚本上達法!
をたっぷりおしゃべり!
そして、新人の登竜門、
ドラマ・ファクトリーも大評判!
今月は 1月~6月にわたって放送した採用作品の中から、4本の優秀作を選んで再放送!
月刊『ドラマ』誌7/17発売8月号でも優秀作の脚本が掲載されます。
さらにドラマ誌の中で、最優秀作品も発表!
同誌好評連載「カフェ・ラ・テの庭で」もよろしく!
(下記の画像はドラマ誌掲載の番宣です)

『カフェ・ラ・テ』は、ラジオ日本1422にて、毎週木曜深夜3時開店!
パーソナリティ
マスター 東海林桂(日本放送作家協会)
ママ さらだたまこ(日本放送作家協会)
*この番組は、日本放送作家協会の制作協力でお送りしています。
メールで質問を受け付けています。
テレビ、ラジオに関するご質問はなんなりと!
もちろん、東海林桂マスターやさらだたまこママにもなんなりと!
cafe@jorf.co.jp まで、お待ちしています。
★毎月18日、映人社刊・月刊『ドラマ』誌上では、番組とコラボして、
ゲストが語る脚本の上達法、放送作家への道など、とっておきのトピックを
『カフェ・ラ・テの庭で』と題するコラムで毎回連載してます。
★放作協50周年を記念して『テレビ作家たちの50年』(NHK出版)も好評発売中。是非お近くの書店でお求めください。
さて、好評のドラマ・ファクトリー。
4月は“新”をテーマに、
半田紫作『子供ロボット』(8日放送)、
井原鶴子作『幸せのスパイス』(15日放送)、
植田寛作『天使のパンツ』(22日放送)、
吉川さちこ作『履歴書』(29日放送)
の4作品が採用されました。
5月は“母”をテーマに、
藤井香織作『赤いカーネーション』(6日放送)、
東京子作『エビチリそば食べたい』(13日放送)、
半田紫作『お母さんパワー』(20日放送)、
山崎雅悟作『声が聞こえた』(27日放送)
の4作品が採用されました。
6月は“結婚”をテーマに、
石原理恵子作『動きの遅い熊』(3日放送)、
亀岡泰治作『デイドリーム・ビリーバー』(10日放送)、
清野拓人作『バイバイスージー』(17日放送)、
仮屋崎 耕作『長年の夢』(24日放送)
の4作品が採用されました。
1月~3月までの採用作品はこちらに
ドラマファクトリー7月は、
1月から6月までに放送された24作品のうちから4作、優秀作品を選び再放送。
さらに、優勝作品4作の中から最優秀作品を選んで発表。
最優秀作品を含む4つの優秀作品は月刊ドラマに掲載されます。
ドラマファクトリーの脚本募集は、6月をもちまして、一端終了いたしましたが、
9月初旬締め切りで、シーズン2の募集を再開する予定です。
詳細はこのブログや月刊ドラマでも告知しますので、お見逃し無く!
(8月には告知します!)
#138&139は下重暁子さん

下重さんはNHKのアナウンサー出身。
入局が1959年で、放送作家協会設立の年ということでご縁を感じます。
「錚々たる作家が当時、NHKの放送台本を書いてましたよ」と、五木寛之さんや、野坂昭如さん、立原えりかさんなどのエピソードも披露してくださいました。
『夢のハーモニー』というラジオ番組では、下重さん自作の詩や物語を台本に書いて朗読。
それだけに台本の大切さに理解があり、放作協の脚本アーカイブズ活動についても「意義あること」とあたたかい言葉をいただきました。
「生放送でしゃべっていた習性で、いきなり原稿用紙にペンで書いても、予定の字数にきちんとおさまるのね」という一方で、「過去半年間のエジプト滞在で時間に対する観念が変わった」とも。
現代人は「いつまで」と予定を立てて行動するけど、広大な砂漠の生活にそんなしばりはないと知ったのです。
「粘り強く取材し、綿密に検証を重ねるノンフィクションが書けるようになったのも、終わり無き時間の忍耐を克服できるようになったから」と。
今後はこの経験の上に立って、フィクションにも力を入れていくという下重さんは日本ペンクラブ副会長でもご活躍です。
九月二三~三〇日まで開催される国際ペン東京大会 2010はテーマが「環境と文学 -いま、何を書くか-」も興味深いイベントです。
相手を重んじ、配慮を欠かない礼儀といった放送人・作家として培った言葉がたくさん心に浸み入った学びの多い二週間でした。